【解説】有酸素運動は何したらいい?

ダイエットに関わらず、ヘルスケアにおける健康維持の鍵となるのが有酸素運動です。

ということで、何をしたらいい?、どれだけしたらいい?などなど有酸素運動の解説をします。

有酸素運動ってなに?

有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことをいいます。

ある程度の時間をかけながら、少量から中程度の負荷をかけて行う運動が代表的です。

一方、有酸素運動と対照的なのが「無酸素運動」です。

筋肉に貯めてある糖質をエネルギー源にする運動で、短距離走や筋トレなど、筋肉に対して高い負荷を短時間に集中的にかけて行います。

瞬発的にかける負荷が大きい分、消費エネルギーも多い無酸素運動のほうが、有酸素運動よりも息が上がりやすいという特徴があります。

有酸素運動の代表的なものは、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリング、エアロビクスなどです。

 

効果

●体脂肪の減少

糖質をメインのエネルギー源として消費する無酸素運動に対して、有酸素運動は一定の時間を過ぎると脂肪をエネルギー源として消費します。これが、ダイエット目的の方や、脂肪を減らしつつ筋肉をつけたい方に有酸素運動が推奨されている理由です。

 

●高血圧予防

運動を行うことで全身の筋肉が酸素とエネルギーを必要とするため、血圧が上昇します。そうすると、体内ではホルモンが血圧を下げるように働きかけます。血圧が高めの方が有酸素運動を継続すれば、この血圧を下げる働きかけによって、血圧の安定も期待できるでしょう。

 

●脳の活性化

運動により脳の血流がよくなるので、脳が活性化され、思考力や記憶力も高まります。また、心に安らぎをもたらすセロトニンなどの神経伝達物質が脳内に増えることが分かっています。

 

●気分転換

日頃とは異なる刺激により、気分転換につながります。また、運動に集中することによって、一時的にでも嫌な考えや気持ちを忘れることができます。

 

●満足感や達成感により前向きになる

運動を続けていくと、「これだけできるようになった」という満足感や達成感が得られます。それが自信につながって、気持ちが明るく前向きになることが期待できます。

 

運動の頻度

WHO推奨

●5〜17 歳の小児と若年者

毎日中等度から激しい強度の身体活動を少なくとも 60 分間行う必要です。

 

●18〜64 歳の成人

1週間を通して,中等度強度の有酸素運動なら少なくとも150分間または激し い強度の有酸素運動なら少なくとも 75 分間行う,あるいは中等度と激しい強度 の運動を組み合わせて同程度行う必要です。

有酸素運動は,少なくとも10分間以上で複数回行う必要です。

主要な筋群を含めた筋力増強運動は,週に2日以上行う必要です。

 

●65 歳以上の成人

1週間を通して,中等度強度の有酸素運動なら少なくとも150分間または激し い強度の有酸素運動なら少なくとも75分間行う,あるいは中等度と激しい強度 の運動を組み合わせて同程度行う必要です。

有酸素運動は,少なくとも10分間以上で複数回行う必要です。

主要な筋群を含めた筋力増強運動は,週に2日以上行う必要です。

高齢者が健常者の推奨活動量を行えない場合,能力やコンディションの範囲内 で身体活動を行う必要です。

 

運動消費量

80kcal(1単位)
消費するための継続時間
非常に軽い約30分散歩、乗物(電車、バス立位)、炊事、家事(洗濯、掃除)、買物、軽い体操
軽度約20分歩行(70m/分)、入浴、階段をおりる、ラジオ体操、自転車(平地)、ゴルフ
中程度約10分軽いジョギング、階段をのぼる、自転車(坂道)、歩くスキー、スケート、バレーボール、登山、テニス(練習)
強度約5分マラソン、縄とび、バスケットボール、ラグビー、水泳(平泳ぎ)、剣道
日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療の手びき 改訂第56版, p.52, 南江堂, 2014より改変

筋肉をつけずに単純に体重減少を目的としているのであれば、有酸素運動のでも効果的です。

体脂肪率や体脂肪量を減らしつつ、ウエイトを引き締めたいのであれば、筋トレとの組み合わせが効果的です。