痛いときは温める?冷やす?
当院は腰痛や肩こり、膝痛、背中の痛みなどで来院される患者さんが多いです。
その際、温める方がいいのか?冷やす方はいいのか?という質問をよくされます。
お困りの症状の経過や状態によって温めるか、冷やすかは変わってきます。
使い分けのポイント
- 急性症状(捻挫・肉離れ・骨折・脱臼など)→冷やす
- 慢性症状(腰痛・肩こり・膝痛など)→温める
冷やすのは、怪我によって腫れたり炎症が起きて一時的に痛みを抑えるためのものですので、怪我をした直後のみとなります。
慢性的な腰痛や肩こりなどは、血行不良により痛みが出ている場合がある為に温めることによって痛みを緩和しますので、血行を促していきましょう。
温め方・冷やし方
【冷やす場合】
水や氷で濡らしたタオルを当てたり、保冷剤を使用したりすれば手軽に冷やすことができます。
冬場に冷やす場合、体全身が冷えないように部屋は暖めておきましょう。
【温める場合】
確実に血行を改善する方法はお風呂に浸かって全身を温めることです。
身近にある使い捨てカイロを使用したり、電子レンジで水で濡らしたタオルを温めて、腰や肩など辛い箇所に当てて活用したりすると良いでしょう。
直接温めることとは異なりますが、体を冷やさないようにすることも大切です。
冷房に直接当たったり、寒い場所に長時間いるなどで体が冷えて血流が悪くならないように注意しましょう。
湿布はどうしたらいい?
「湿布は貼った方がいいのか?」「温湿布と冷湿布はどっちを貼った方がいいのか?」など悩んだ経験があると思います。
湿布には温湿布(温感湿布)と冷湿布(冷感湿布)があり、含まれている成分がそれぞれ違います。
どちらの湿布も違う成分ですが、同じ消炎鎮痛剤を用いているので、温湿布も冷湿布もどちらも薬としての効果は同じなのです。
また、「温感」と「冷感」とあるようにこれらはあくまで「温かい」「冷たい」という感覚を与えているだけで実際には温めたり、冷やす効果はありません。
それぞれ含まれている成分によって、そう感じているだけなのです。
では、温湿布と冷湿布のどちらを貼ればいいのか?
「温感」と「冷感」といった皮膚の感覚によって、脳が「痛みの感覚」を感じにくくすることも鎮痛効果の狙いなのです。
ですので、ご自身で気持ち良いと感じる方を、貼ればよいということです。